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ハーバード大学入試突破法

生まれは九州、小学生で渡米し、ハーバード大学を卒業した僕の経験談です。皆様のお役に立てば光栄です。

中学二年生の方から「ハーバードに行くためにどのような勉強をしたらいいですか?」 という質問を頂きました。まだ中学二年生だというのにもう大学受験のことを考えているなんて、かなりしっかりした方なんでしょう。きっとクラスでも成績は上位で、英語も完璧ではないと書かれていますが、単に控えめに書かれただけでしょう。それにも関わらずこのブログ宛てに質問を投げかけてくださるとこを見ると、実力もありながら努力を惜しまない方ではないかと思います。

 

 

このような方はきっとハーバードに合格する生徒にひけを取らない学歴で入試されるのでしょう。しかし、学力だけではハーバードには入れません。学力だけが取り柄のような奴らばかりがライバルなのですから、学力+「アルファ」の「アルファ」で勝負は決まるのです。

 

 

その「アルファ」の形は特に決まっておりません。ノーベル賞やオリンピック金メダルでしたらハーバード合格は確実でしょう。しかしそんな難易度が高いものではなくてもいいのです(もしそうだったらハーバード合格者は十年に一人出るか出ないか程度になってしまいますからね)。

 

 

例えば何かの「リーダー」だということはとても強力な「アルファ」になります。アメリカという国では大学に限らず、民間企業も何故か「リーダーシップ」を持ち合わせた人材を欲しがるのです。具体的にいうと、スポーツチームのキャプテン、生徒会長、ボランティア活動集団の団長、学校新聞の編集長などです。きっと大学の狙いは、このような「リーダーシップ」を持ち合わせた卒業生を社会に送り出せば、彼らがいずれ大統領、総理大臣、又は大企業の社長などになって大学の名前を売ってくれることではないでしょうか。

 

 

しかし、一組織の「リーダー」になるのは簡単なことではありません。スポーツチームのキャプテンになるにしろ、辛い練習を重ねて技術を磨き、やっとチームメイトに認められるのでしょう。編集長になるにしても長い下積み時期を耐えてからのことでしょう。バイト先でも長い間勤めてやっとマトモな制服を着させてもらえるのでしょう。つまり「リーダー」になるには時間が必要なのです。

 

 

中学二年生ならば時間は充分あります。勉強、勉強と固く考えすぎず、自分が興味を持てる分野を見つけ、どっぷり浸かってみてはいかがでしょうか。

 

天は二物を与えず、というわけではありません。ハーバードには、僕が日々欲情した何人もの美女がいました。彼女らは賢く、心優しく、とにかく非の打ちどころがない存在でした。唯一他校の女子大生に劣る点といえば、遊び慣れてないせいか少々無理をして「大学デビュー」をしたような雰囲気を漂わせていたところでしょうか。しかし「純粋な娘」を好む男は少なくありません(僕の知ってる漫画、映画のヒロインはほとんど純粋なような気がします)。ハーバードの女は魅力的なはずです。

 

 

僕も何人かのハーバード女子生徒とお付き合いさせていただきました。最終的にはどれも上手くいきませんでしたが、特に彼女たちが「ハーバードっぽかった」から駄目になったわけではありません。今ふり返って気づく彼女らの共通点といえば、みんな恋愛に対してはっきりと描かれた理想を持っているように見えたことですが、それが嫌で破却におちいったのではないと思います。

 

 

しかしその付き合った中の一人の話を聞いて、彼女らがどんなに苦労しているかに鳥肌が立ちました。彼女は僕と付き合う前のフリーの時、恋人候補のいる席では常にボストンカレッジの生徒と自己紹介していたそうなのです。

 

 

確かに自分より学歴の高い彼女を持つ男は、そのことに対してコンプレックスを抱くと聞いたことがあります。ボストン大学(カレッジではなくて)へ通っていた僕の女友達は、二年制大学を卒業した男と付き合っていましたが、その男が抱いていたコンプレックスに日々悩まされてました。結局別れてしまいましたが、それが最大の原因だったようなことを言っていました。

 

 

もちろんそんなコンプレックスを吹き飛ばしてしまうようなダイナマイトなハーバード女子生徒もいたかもしれません。しかし男だったらありえない、高学歴の代償を払う可能性があるだけでもハーバードの女は不利でしょう。

 

女が何を男に求めるかは、男の僕にはわかりません。木村拓也のように二枚目がであればいいのか、福山雅治のようにセクシーな声で歌えればいいのか、それともただ単に韓国人として生まれてくればいいのでしょうか?全く謎です。

 

 

しかし古い言葉かもしれませんが、女は男に「三高」を求めると聞いたことがあります。背の高さ、収入の高さ、学歴の高さの三高です。

 

 

ハーバード卒業生はこの三高のうち、二高は満たしていると見られるでしょう。アメリカの大学ランキングでは常に上位に入るハーバードを卒業すれば、学歴の高さは疑われることはないでしょう(「大学院を出ていないと話にならない」という意見もあるでしょうが)。そして未だに健全の学歴社会の中、ハーバード卒というのは有利でしょうから収入もそれなりに安定しているのではと思われるでしょう。在学中、僕の経済学のクラスを受け持っていた大学院生が失業率の話をしている時、「君たちには無縁の話ですが」とイヤミっぽく言ってたのが印象的でした。

 

 

背の高さはどうしようもないでしょうが(鉄棒にぶらさがっても効果はなさそうですし)、ハーバードで見かけた男子生徒は特に背が低いという印象は受けませんでした。そう考えると、ハーバード卒業生は三高を満たす確率が高いということになります。

 

 

それが原因なのかは確信できませんが、確かに女はハーバード卒の男に興味を持っていると思わされたことが何度かあります。彼氏募集中の女友達に、クラスメートを紹介するように頼まれたことは何度もあります。合コンの席で、僕の出身校を教えられる前と後の女の子の態度の違いにゾッとさせられたことも何回かあります。そして何よりハーバードとWellesley女子大学の間を行き来する「ファックトラック」の存在には驚かせられました。他校との交流を深めるために存在するであろうバスが、生徒をハーバードからWellesleyのキャンパスへ送り、そしてWellesleyからハーバードへ送るのです。週末このバスへ乗り込む若者の目的を想像豊かに考えていただければ、何故このバスが「ファックトラック」と呼ばれているかおわかりでしょう。

 

 

そのようにハーバードの名を活かして、多くの女性と出会い、その中から本命を見つけられれば幸いでしょう。でも僕はそれが出来ませんでした。僕の本命は5回目のデートで僕の出身校を何度教えられても、「しつこいで。しょうもない冗談言わんで、本当はどこいったん?」と、なかなか信じてくれませんでした。

 

先日nakamuraさんから質問 をいただきました。ハーバードへ行くには何を勉強したらいいのか知りたいそうです。すごくストレートな質問で戸惑いました。

 

 

何故なら、残念なことに「これが答えだ」というものを思いつきませんでした。アメリカの大学受験は、日本の大学受験のように一つの試験で高い点数を取るための勉強をすればいいというわけではありません。小、中、高と全ての授業での試験で100点を取り、SATでも満点の1600点を取っても絶対にハーバードに入れるとは限らないでしょう(そういう経歴を持ちながらハーバード落ちた知り合いがいるわけではないので断定はできませんが)。

 

 

あえて身につけておくと有利だろうと思えるのはマーケティングです(学校の勉強をおろそかにしてまで勉強するべきとは思いませんが)。自分を自社商品、入試審査員を客、そして他の志願者を他社商品と考えて、客が自社商品を選べば勝ちです。客は生身の人間ですので、数字で表す成績やSATの結果だけでは彼らの心を奪えません。彼らの心を奪うには、まず彼らが何を求めているか、そして他社商品がどんなもので、どんな風に宣伝されているか考えることからでしょう。そしてその考えを元に、自社商品が他社商品より強く客の目を引く戦略をたてて、後は実効するのみでしょう。

 

 

客が何を求めているかから考えるにあたってまず心得ておくべきなのは、彼らは趣味ではなくて、仕事で審査員をしているということです。朝眠たい目をこすりながら起きて、疲れた体にムチを打って何万という願書に目を通し、家に帰って苦いはずのビールを飲んでとても美味しく感じてしまうのです。ですからどこのサラリーマンとも一緒、少しでも仕事を楽しくしてくれる要素に対して彼らは興味と好感を持つのです。ですから面白い願書は彼らの心をつかむ可能性が高いでしょう。ですから印象の薄い、無難なエッセイを提出するのは命取りになりかねないので、勧められません。

 

 

他社商品を検討する際、まず自社商品がどこの商品と客を争っているかを心得ないといけません。日本人の場合、ライバルは他の東洋人(アメリカ国籍であろうがなかろうが)か外国人(アメリカ国籍ではない人)でしょう。ハーバードでは「新入生のXパーセントは白人、Yパーセントは黒人、そしてZパーセントは東洋人」という決まりはないとなってますが、新入生90%以上白人とかになってしまうとエラい騒ぎになってしまうので、この「東洋人枠」と「外国人枠」の考え方は間違ってないと思います。勝負はその枠の「典型的」な志願者像を描いて、自分がそれになるべく当てはまらないようにすることでしょう。例えば典型的な東洋人の男子生徒は、理数系分野を得意とし、ピアノを子供の時からを習っていて、スポーツは大人っぽくテニス又はゴルフ、おとなしい真面目な学生といったとこではないでしょうか。当てはまってしまうようでしたら、当てはまらない点を願書上で強調することを勧めます。

 

アメリカの大学の多くにはEarly Decision、またはEarly Actionという制度があります。要は入学願書を普通より早く提出すれば、合格不合格の通知を普通より早くもらえるのです。DecisionとActionの違いは、前者では合格だった場合絶対にその大学へ行かなくてはいけなくて、後者はそういう規制がないというとこです。ちなみにハーバードではAction制度があります。

 

 

一見この制度は絶対オトクのように聞こえます。もう行きたい大学が決まってさえいれば早く入学願書を出して合格すれば、後は残された高校生活を満喫するのみ。不合格で他の大学も受けるハメになっても、それはEarlyで出さなかったことと同じこと。その上、exodus さんが「Earlyで応募した賢明さ 」に書かれたように、Earlyで出す方が合格率が高いとくればEarlyで出さない人は間抜けのようにさえ見えてくるかもしれません。

 

 

僕も高校卒業一年前までは、絶対にEarlyでハーバードを受けるつもりでした。しかし、僕は次の本を読んで自分が恐ろしく無謀なことをしようとしていることに気付き、Early計画を即行で止めました:

 

 

 
 
著者: John Katzman, Adam Robinson, Princeton Review
タイトル: College Admissions: Cracking the System (Princeton Review : Cracking the System Series)
(これはもうかなり古いので入手は難しいかもしれませんが、もっと新しいバージョンもあるそうです。Amazon.co.jpでは見つけられませんでしたが、Amazon.comにはありました。)

 

 

残念ながらこの本はとっくの昔に処分してしまったので何と書いてあったかは正確にはお伝えできませんが、要はEarlyで受ける志願者の方が普通に受ける志願者より質が良いそうです。考えてみれば納得いきます。Early応募の締め切りというのは大抵11月1日ぐらいです。それまでに全て(SATの勉強、エッセイの作成、推薦状の依頼(ゴマすり)、大学の下見、生徒会選挙、甲子園出場、ブラジル遠征、ガンの特効薬の発明、ボランティア活動)を済まさせないといけないのです。新学期の9月から始めるにしては遅すぎるでしょう。つまり高校最後の夏休みを費やすぐらいの覚悟が必要なのです。小学生の頃、新学期の初日は毎年朝早く起きて泣きながら夏休みの自由研究をやり始めていた僕には、そんな気合の入った奴らを相手にする度胸はありませんでした。

 

 

ハーバードのウェブサイト にも同じようなことが遠まわしにほのめかされてます:

 

 

  Regular Action is clearly preferable for those whose candidacies will be strengthened by senior year extracurricular achievements and improved academic performance.

 

 

つまり早めに入学願書を出して高校最後の一年を遊んで過ごす権利は、それまでにちゃんとやることをやってきた人のみに与えられるのです。今まで遊んできた分高校最後の一年、ちったあ苦しんで挽回しなさい、ということでしょう。僕も高校最後の一年、大学決まるまでストレスで禿げるのではと心配するほど苦しみました。