サンタバーバラはハーバードに負けてない | ハーバード大学入試突破法

ハーバード大学入試突破法

生まれは九州、小学生で渡米し、ハーバード大学を卒業した僕の経験談です。皆様のお役に立てば光栄です。

先日、crypton と名のる高校生からコメントをいただきました。彼は現在アメリカの高校に通い、今年の秋からカルフォルニア大学サンタバーバラ校に進学するそうです。彼は高校時代に渡米したとは思えないほど、英語が上手です。僕の大学時代の友達にも何人か似たような状況の日本人がいましたが、一年ほど語学学校に通ってから大学というケースばかりでした。これから先が期待できる方だと思います。


アメリカ高校の実態、アメリカナイズされた僕 」という記事に、彼は自分の大学入試結果をこう書いています:


  決してIvy級の上位校には受かっていないが、50位以内には入っているあのカリフォルニア大学には入れてもらえた。ここ数年、アメリカ国内のノーベル賞を独占しているくらいなので、数年後には上位に昇るに違いない潜在力を持つ学校だ。なにも文句はない。

そのとおり、「なにも文句はない」です。


実際に「Ivy級の上位校」に受かった僕からこんな言葉を聞いても、彼にはイヤミにしか聞こえないかもしれません。確かに再度大学入試を受けたとして、ハーバードとカルフォルニア大学サンタバーバラ校、両方合格し、どっちを選ぶと迫られたら僕は迷わずハーバードを選ぶでしょう。でもそれは経済的に状況が同じ場合だったらです。もしハーバードの高い学費を払う余裕のある家庭に恵まれず、奨学金もアテにできないようでしたら、僕はハーバードを選ぶのにかなり躊躇するでしょう。


ハーバードは他の大学に比べて、ヘドが出るほど学費が高いのです。でもハーバードを卒業していようと、サンタバーバラを卒業していようと新卒ならばそれほど給料はかわりません(いくつ内定をもらっていようと最終的な就職先は一つなのです)。だからもし僕が学費全額を借金してて、卒業後返金しようとしていたらかなり辛いおもいをしたでしょう。甘やかされた人生を送ってきた僕にとっては、きっと耐えられないでしょう。


「でも君、世界のハーバードといえば、有能が学者が揃っていて、授業のレベルも高いし、最先端の研究ができるから高い学費の価値があるんじゃないかね」という意見もあるでしょう。ごもっともかもしれません。でも学生時代の僕にはこれが勉強したい、学問を徹底的に追求したいという意欲がありませんでした。年頃でホルモンの分泌が活発だったせいか、女の子のことぐらいにしか熱中できませんでした。ですからどんなに有能な学者がいようと興味が湧きませんでしたし、成績を下げないことだけが目的で授業に出てました(そして出なくても成績には響かない授業には全く出ませんでした)。専攻も卒業後の就職を考えて、別にハーバードではなくてもどの大学でもある情報科学を選びました。だからハーバードの授業、教育者をとおして学んだことは決して他の大学では学べなかったことではありませんでした。こう考えると高い学費を払ってくれた両親に本当に申し訳ないです。


他の大学ではなく、ハーバードでよかったなと思える点はそこでできた友達ぐらいです。学校の近所の家賃が高いせいか、ハーバードのほとんどの生徒は寮で生活します。ですから、すごく親しくなれます。僕は5人の男と一緒の部屋で暮らしました。そのうち二人は医者で、二人は弁護士という、いかにもハーバードらしき肩書きを持つ連中ですが、謙虚で優しい奴らです。


でもそれは別にハーバードだから出会えた友達ではないと思います(その異様な医者と弁護士の割合はハーバードならではと思いますが)。むしろハーバードで彼らのような気さくな連中と友達なれたのはとてもラッキーなことだったと思います。ハーバードという学校は何だかんだ言っても、優等生、お坊ちゃま、お嬢様、ボンボン、天才ゆえに変態が比較的多い学校のような気がしました(ちなみに僕は「優等生」か「お坊ちゃま」の分類に入るのでしょう)。そういう集まりなので、やはり「遊び」に関しては他の学校に劣るのはないのでしょうか(もちろん「偏った遊び」に関しては優れているのでしょうが)。それにニューイングランドの長く、厳しい冬では、行動が限られます。サンタバーバラのような素晴らしい天気に恵まれ、何もかもが美しい環境にはやはり羨ましく感じます。


ですから未だに思います、もし僕がハーバードではなく他の大学へ行っていたらどうなっていただろうな、と。ちなみに僕は八つの大学を受けましたが、そのうち4校はカリフォルニアの大学でした。僕の高校時代はサーファーファッションが流行ってました。